2007年07月02日

低音の限界 本編2

今日は最低音域を歌う歌手について考察してみます。

人間が音として聴くことができる周波数の範囲を可聴帯域といい、20-20000ヘルツ位と言われているが、多くの動物や特殊な能力を持った人間はもっと高い音を聞くことができるし、反対に老化すると高い音が聞き取りにくくなってくる。テスト信号を発生するソフトで調べてみたが意外と聞こえない。
いきなりですが次の3種類の信号を聞いてみて下さい。33ヘルツ、13000ヘルツ、16000ヘルツの音です。33ヘルツ以外は非圧縮なのでちょっと重いです。気持ちの良い音ではありませんが、読み終えたあともう一度聞いてみたくなりますよ(笑)サイン波13000Hz.WAV
サイン波16000Hz.WAV

クラシック音楽ではマーラーの合唱入りのシンフォニーである2番「復活」と8番「千人の交響曲」に低いシのフラットが出てくる。学生時代に何回も演奏したが周りでこの音をまともに歌っている人はほとんどいなかった。
オペラではモーツァルト「魔笛」のザラストロ(楽譜ではファまで)と「後宮からの誘拐」のオスミンがレまでだから、普通に低いというところだ。しかしマイクなしのオーケストラ伴奏だから相当余裕がないと客席まで届かない。低音の出ないバリトンのザラストロなんて粋ではない。リヒャルトシュトラウス「バラの騎士」のオックス男爵は低いドまで楽譜に書いてある。バス歌手クルト・モルがライブでもしっかり出していた。

歌手には歌のうまさ、声の良さ、ルックス等いろいろ大事な要素がありますが弊社では「低音が出ると謂フ事」に特に重きを置いていますので、ご理解下さい(笑)。

ロシアにはオクタビストという、コーラスのバスパートよりさらに低い音域を歌う職業があって、旧ソ連時代までは社会的に大変優遇されていたが、現在はほとんど姿を消してしまったらしい。日本が誇るオクタビスト鈴木雪夫さんは数年前ロシア公演で、ラフマニノフ「晩祷(ばんとう)」(アカペラで1時間ほどの合唱曲です)で朗々と超低音を響かせ、ロシアの観客を魅了した。
ちゃんとしたロシアンコーラスの楽譜には前述の低いシのフラットどころかその下のソまで、当たり前に書いてある。これをナマで響かせるのは大変な事だから(本当に消耗します!体にワルイかも?ってくらいに)旧ソ連では優遇されていたのだと思う。

そしてラフマニノフ「晩祷」のコンサートが今年も目白のカテドラル大聖堂で10月19日に行われます。鈴木さんと共に僕もオクタビストとして出演します。近くなったらまたお知らせしますので、興味のある方はよろしくお願い致します。

我らがドゥーワップの世界にはJ.D.サムナー(SUMNER)という巨人がいる。世界最低音でギネスブックにも載ったというこの人は、The Stampsというグループでプレスリーのバックコーラスをするだけでなく、コンサートでは彼のソロにプレスリーがコーラスを付ける程親交が深かったようだ。
僕は以前デュークエイセスのベースボーカルの槇野義孝さんから、J.D.サムナーの事を教えて頂いた。詳しい解説を書いたテープを送って下さったこともあり、感謝しております。槇野さんもコンスタントに低いドをキメる数少ない人だ。しかしJ.D.サムナーは更にオクターブ低いド(33ヘルツ)が出るという。ライブのテープを聞いてみるとどの曲もまねしてみたくなるキーで歌っているが、「Way Down」という曲のエンディングで「♪ソードーー(66ヘルツ)」って低いドに降りて更に「♪ラーソーードーー(33ヘルツ)」まで降りまくっている。手元にあるライブ音源では最低音の音程は微妙だが、出るに違いないと思わせる声だ。

僕は普段キングトーンズのベースとして高めのラインをカルく歌ってるから、本来持っている声域の下のほう1オクターブは出番がない。ラクしてる気がしないでもないけど…そこは運転手したり、スーツのアイロン掛けしたりしてバランスとってますよー(汗)。

サムナーの音源を貼れれば良いのだけれど、著作権等に鑑みて自分で歌って見ました(汗)。またお前かーって感じですけど。
「ド」はちょっと無理でしたね。切腹!

ところで話はダカーポ(頭に戻る)しますが、16000ヘルツが良く聞こえないアナタ→ようこそ仲間です。13000ヘルツが聞こえないアナタ→もうすぐ還暦のアニキですね(大汗)。

今日は長くなりましたが、お付き合い下さいましてありがとうございました。
でも、まだまだ「つ・づ・く・キスマーク」です。



この記事へのコメント
 私は、16000ヘルツが良く聞こえませんでした(^^;)聴力テストみたいで面白かったですよ。ベースボーカルは、奥深いですね。勉強になります。ちなみに私は、The Coastersのベース・ボーカル、ウィリー・ダブ・ジョーンズの声が好きです。YOUさん、キントンでコースターズも唄って下さい。「チャーリー・ブラウン」とか・・・。YOUさんの「オールマン・リバー」は大好きです。
Posted by じゅん at 2007年07月02日 21:42
じゅんさん、「チャーリー・ブラウン」ですか。why's everybody always pickin on me!?ですね。キントンに入ったとき覚えましたが僕は残念ながらステージでは1度しか歌っていません。この曲と「ポイズン・アイビー」を続けるのが定番だったようです。「オールマン・リバー」もごぶさたなんですが、いつでもきちんと歌えるように練習しておきます。ありがとうございます(^_^)
僕は15000ヘルツで試したらギリギリで聞こえました。
Posted by ユーちゃん at 2007年07月03日 04:20
げげげ・・(-_-;)13000が聞こえません・・家内はすぐ分かったのに、何度聴いても・・7年程前ハウンドドッグを聴きに行って、耳鳴りしていますが、そのせいでしょうか。確かに”きーん”という耳鳴りがあるのでその音に重複しているのかと・・・・・いや、やはり老齢か(^_^;)いやいやそんな年齢ではないし・・耳鼻科に行くか行かないか悩んでおります。(^_^;)
それにしても、オクターブ下のドなんて考えただけでもありえない・・・でもありえる人がいるのですよね
Posted by まっする at 2007年07月03日 11:15
まっするさん、12500ヘルツなら聞こえると思いますよ(^o^)8000が聞こえたら音楽が十分楽しめますから…ご心配なく。
Posted by ユーちゃん at 2007年07月03日 12:55
ちょっと安心しました(^_^;)。ありがとうございます。
ところでyouさん今日がお誕生日だそうで、おめでとうございます。
(*゜▽゜)ノ~▽▼▽[祝]▼▽▼~ヾ(゜▽゜*)
うさぎさん歳ですか?だとすれば家の嫁さんと娘と干支が同じです。
Posted by まっする at 2007年07月03日 15:19
まずは、お誕生日おめでとうございます。

だんだん話が専門的になってきましたね。ほんとうに興味がわいてきます。

「声楽講座・低音の限界」 講師:石塚勇

などと放送大学で放送されないかなあ。
Posted by 千葉の齋藤 at 2007年07月03日 19:11
マッスルさん、ありがとうございます。だんだん年をとるのが喜べなくなってきますが、お祝いのお言葉を頂けるのは本当に嬉しいです。そしてうさぎです。奥様、お嬢様にもよろしくお伝え下さい(^o^)
Posted by ユーちゃん at 2007年07月03日 19:29
齋藤さん、ありがとうございます。
このシリーズ、もちろん楽しんで書いているのですが、マニアックになりすぎではないかと心配もしています。これからもご感想、ご意見をお願い致しますm(_ _)m
放送大学は無理としても、昔はNHKの小学生向けの番組に出ていた事を思い出しました。
Posted by ユーちゃん at 2007年07月03日 19:36
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