えええっとぉ、今からちょうど(?)28年前の春の話。
一浪の末めでたく(汗)芸大に入ると同じクラスの先輩に辻秀幸さんというテノールの先輩がいました。クラスといっても小さな学校の話なので渡辺高之助先生(故人)の門下生で大学院生も含めて総勢4名という家族的な集まりでした。
辻秀幸さんは合唱指揮者の辻正行先生(故人)のご長男であらせられて、僕の声を聞いて、うちのオヤジがお前みたいなやつを探していたんだよって仰って新宿の事務所に有無を言わさずご招待(笑)してくださって、立ち上げたばかりのクロスロードシンガーズっていうプロ声楽家の男声合唱団のメンバーになりました。1983年の事。
今思えばものすごく光栄な事だったんだけど合唱の経験が全然ない僕は当時は良く分かってなくて、与えられた曲をなんとか歌うのに必死でした。
色々な合唱曲を何百曲も憶えて全国各地に演奏やレッスンに出掛けたし、ヨーロッパのツアーにも連れて行って頂いたりしました。芸大の他にもう一つハードな大学に通っている感じですごく鍛えられました。
更に静岡や愛知の大学の合唱団にヴォイストレーナーとしてお伴をしたりもしました。
自分には経験も無いし相手は年上だしと不安がる僕に辻先生は普段の君の声で歌うだけでいいんだよと微笑んでくださったのを憶えています。
で、4月にメンバーになって最初の練習に参加したとき来月(5月)に東京文化会館大ホールでコンサートをするっていうのを知らされました。ロシアの低ーい音のある曲を演奏する事になりましたが芸大の1,2年生は学外でのコンサート出演は禁止だったのでピアノ伴奏者の横に椅子をおいて譜めくりをしながら歌いました。当時芸大の音楽学部長だった恩師の渡辺先生もお見えになるという事で、ばれないように念をいれてかつらまでかぶって変装していたのでした。お笑いのノリみたいだけどあの時は大真面目で、おまけに緊張のあまり声も震えてしまいました。
譜めくり席で歌った曲はロシア民謡「夕べの鐘」でした。
上京してすぐに東京文化の譜めくり席で、訳も分からず低いラの音をひたすら延ばしたのがオクタビストとしてのデビューです。
この「夕べの鐘」はロシアではコンサートのシメに歌われるような曲なんです。鳴り渡る鐘の音をコーラスが歌っていてクリスマスにもバッチリ合う感じ。
実は昨日、次回のライブ(未定ですが…)の最後の曲にいいなぁなんて思ってパパッとデモを作っちゃったんです。美しいソプラノと格調高いテノール、ギターと低音ボイスの4人で演奏する事をイメージして、自宅で全パートを一人で歌ったのでちょっとテノールが切なげですけど、久しぶりの低音の限界シリーズ(クリスマス版)としてお届けします。最低音はダブルLow Eフラットです。 こわい? いびきみたい? バスのソロはロシア語で歌ってみました。オペラ歌手みたいでしょ(大汗)
マイクなしのコンサートホールを想定していますので低音はこの辺が限界かなと思います。マイクありならもう少しいけるかも。
それでは皆様、低い声でメリークリスマース♪。